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あさじむおう

Author:あさじむおう
文章荒れまくってるブログですが
いつもボロボロになった1日の終わりに
書いてるので許してください。

さまざまな活動報告や、映画、音楽の感想を中心に。

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タイトル未定の続き
【これまでのタイトル未定】

#1、#2
#3
#4
#interlude
#5
#6、#7
#8
#9

【前回までのあらすじ】
 
 女の子の股間をちゅーちゅーする事になりました。
 

#10

 ふ、ふーっ。
 ふー…ー…っ。
 「さ」と「ら」。
 ただ一文字、二文字目が違うだけなのに……。
 「やさしさ」と「やらしさ」とでは、なんと言う違いだろう……。
 そんな幾らかは知的な感慨を乗せて、俺は吐息を岩本のアソコへと吹きかける。
「は……ぁん……っ」
 岩本のカラダの反応はゆるやかであり、たおやかでもあり、そして俺の下半身にたぎる熱情を静かにやわらげるような優しさと、それでも俺のエレクチオンを掴んで離さないやらしさに満ち満ちている。
 なるほど、これが女子力か……。
 考えてみれば、俺もまた、この割れ目から外の世界へコンニチハしたのだ。
 言うまでもなく岩本の割れ目ではなく俺の母親の割れ目からではあるが、女にのみ備わるこの割れ目こそが、俺たちの「世界の起源」とという訳だ。クールベは正しい。
 世界は、ここから始まる。ゆえに、この割れ目には、多くの人を惹き付けて止まない力が備わっているのである。日頃は薄いベールに包まれた神秘の力……それこそが、この世で女性のみが持ち得る魅了の奇蹟……女子力。
 俺は唇を突き出す。それだけで、ぺとっ、と岩本の割れ目の肉に届く。
「ん……っ」
 ノドを鳴らした。俺が。鳴らした、というか鳴ってしまった。興奮してるのがバレバレで、少々、恥ずかしい。
「ひゃ……っ」
 岩本がピクンっ、と体を痙攣させた拍子に、ブチューっとやってしまった。
 歯が当たったが、相手は柔らかい土手だったため、痛くはなかった。むしろ、岩本の土手肉に歯が食い込んだ時の、ふにっ、という柔らかでファンタジックな感覚が全身をかけめぐって心地がよかった。そのせいで、元々、溶解していただろうと思われる思考が更に幾らか溶けた。
 ドキドキと、俺の胸は早鐘を打っている。
 いわゆる吊り橋効果と言う奴だろうか。岩本の事が愛しくなってくる。二人の体の接合が何かしらの化学的反応を生んだのだろうか。熱がある。湿り気がある。せつなくなるような情感がある。ノスタルジー……否、これはそう……郷愁。自分の生まれたふるさとへと帰りたいと言う郷愁なのだ。
「ああ……あぁ……くっついてる……高久の唇が……私のあそこに……くっついちゃってるよぉ……」
 自分でやれと言ったくせに、岩本は非難がましい声を出す。頼まれた俺としては、怒って止めてもいいハズの所だが、俺の良心がそれを咎めた。
 どれだけの誹りを受けようと自分の成すべき事をしようと覚悟を決めるかなりカッコいい俺ではあったが、それはそれとして、本当の所、次のような事も考えていた。
 ああ……これが……これが……女……ふにふにだぁ……。
 やばい……よだれ止まんねぇ……こぼれちまう……女……女……ぁ……。
 あああ……もう本当に……本当に女って……もうもう本当に女って、いいなぁ……。
 今日までの俺は、色欲に溺れて女の言いなりになる優柔不断男だとか、あまつさえ自殺だの犯罪だのに走る迷惑男だとか、ドラマとかマンガとかで良くあるそういう奴の事を、心のどこかで「バッカでぇ」と思っている所がなきにしもあらずだった。だが、それは間違いだった。たかだか割れ目にキスしただけで、これだけ気持ちが高揚してとろけそうなのだ。もっとすごい、すなわち本番的な性行為の味を覚えてしまったら、そりゃあ馬鹿にもなろう。なるほど、現実女を忌避する俺の友人三人は、ある意味、かなり賢い選択をしているとも言える訳だ。
 俺も今からでも頭を丸めて(三人とも頭を丸めてはいないが)、現実女禁止の誓いを立てれば、この先、真っ当で堅実な人生を歩んで行けるかもしれない。そうしたら俺の両親もきっと大満足だ。
 いやダメだ。もう遅過ぎる。何もかもが手遅れだ。俺は岩本のアソコの味を知ってしまった。
 ……いや、まだか。この裂け目の中にこそ、いわゆる女の生殖器の真実が存在している訳だし、味蕾は舌についているので舌入れないと味なんて分かんないし。
 そう気がついたので、唇をブチューとしたまま、舌の先っちょで縦スジを下から上へと割って行った。俺の記憶が確かなら、アソコの穴というのは割れ目の下の方にあるのだ。そういえば、またしてもすっかり忘れていたが、そのアソコの穴の中から透明な生き物的なヤツを吸い出すのが、今回のミッションなのである。つまり、良く位置を確認してジャストミートで吸引しなければならない。唇を離して指で開けば簡単だが、それでは奥までしっかり丸見えだ。見たいのは山々なのだが、これも忘れかけていた事だが、背後にたくさんのギャラリーがいるので、パックリ開いたら岩本がお嫁にいけなくなってしまう。
 そんな訳で、唇は岩本の土手に繋げたまま、割れ目の奥へと差し込んだ舌を動かして、ゆっくりとなめた。岩本は女の子であるからして報告がはばかられる事ではあるが、多少の塩気があった。便器に座ってパンツ下ろしていたのだから、そこは推して知るべしである。
「ふ……ぅ……っ」
 岩本は、何かをガマンしていた。自らの舌先三寸の技術に自信を持ってしまいそうだが、だからと言って調子に乗って舌を動かすスピードを早めてはいけない、と、とある性行為のハウツー本には書いてあった。同書掲載のありがたい指南に従い、同じリズム、同じスピードで、ゆっくりと舐め上げ、舐め下し、を繰り返して行く。
「や……高久……それ……やぁ……」
 岩本は拒絶で頭をふるふると振ったが、そんな上ずったような甘い響きの声で言われたら、嫌よ嫌よも好きのうち、と男が勘違いしてしまうのも無理はない。俺もまた男であるので勘違いをする事にした。
「はぁ……はぁ……。ほんとに……ら、らめ……らめぇ……」
 岩本の甘い声。
 ああ……ああ。
 たまらん。
 しんぼうたまらん、とは、こういう事を言うのだろう。
 だんだんと……どんどんと、俺の頭から物を考える力がなくなっていく。
 ああ……もう本当に余裕がなくなって来たようだ。俺の股間の熱さと硬さだけが、きわめて生物的にこの先起こりうる回避すべき事態を予測し俺の理性に警句を与えている。ミッションの終了、それまで俺の意識が持てばいいが……。もし……もしも何事もなく済ます事が出来たのなら、このミッションが終了した後、俺は男子トイレに行く。そこで個室に入る。学校で大をするヤツは、あまりいない。俺もまたそうだ。したいのは大ではない……排泄ではない……。放流だ。
 ……ああ……願わくば、理性が、意識が、俺の体に戻った時、岩本の処女が無事でありますよう……。責任を取るのはやぶさかではないが、出来ればもう少しぐらいは雰囲気のある初体験にしてやりたいというか俺の初体験でもあるのだからそうありたい……。そう……男はロマンチストなのだ……。しかし、どうやらもう手遅れのようだ……。ああ……なにか得体の知れぬ笛の音が……俺の脳幹をやたらと鍛え抜く奇妙な笛の音が……壊されたドアの奥から、残された一縷の思考力をも吸い付くす名伏しがたき調べが……
 
(ここで理性は途切れている。以下、しばらく会話のみの記述を続けねばならない事をご承知いただきたい)
 
「ひゅ……ん……っ、んぁぁっ」
「はぁ……岩本……岩本ぉ……」
「ちょっともぉ……。やん。やだ、やだ、高久、やらしい声出しすぎだって」
「い、岩本だって……はぁはぁ」
「はぁはぁ言うなぁぁぁ……ああああ~ん、キモイ……キモイぃぃ、キモイって、ホント。作業に集中し……あっ! ああああんっ、あぁ……ん」
「はぁ……はぁ……はぁはぁ……岩本……岩本のここ……ぷっくりして……くにゅくにゅして……あああっ、なんかヌルヌルしてきたぞっ。こここここここここれは、ヤツの体液?」
「え……う、うーん……」
「それとも……岩本の……かな? もしかして。ふふふ……」
「マジキモイからっ! やっ、やぁぁんっ。あ……あ……」
「…………」
「………………」
「…………」
「ひっ、くぅんっ!」
「岩本……大変だ……」
「え? え?」
「ここ……腫れてる」
「ひゃうんっ!」
「ここ……? ここ?」
「あっ、ああああ……っ」
「ああ、やっぱりそうか……このお豆さん……ぷんぷくりんに腫れて、こんなに大きくなって……ん……」
「あ……ぁぁっ! ちょっと、分かっててやってっしょ?」
「え? なにが?」
「……お豆さん……」
「ああ……ここ?」
「ひゃああああんっ!」
「なっ、なんて敏感なお豆さんなんだ……ああ、これはあんまり触らない方がいいな……」
「分かったら舐めな……いで……あっ、あああっ」
「あっ、後でっ、医者にみてもらえよ……はぁはぁ……はぁはぁ」
「そ、それより……穴の方……」
「ん……ん……。ああ……あ……もうじゅぶじゅぶじゃでありまするな……ほほほ、これはいい潤滑液であり、ヤツもまた、股穴から吸い出し易いというものでおじゃる……」
「あ……あああ……っ。ひゃあああああんっ!」
「あ、ごめん。鼻が敏感なお豆さんに当たった」
「あああああん、ぜったいこいつワザとやってるよ~っ!」
「ごめんごめん。お詫びに……ほら」
「あ……っ、あああっ、だめっ、そんなに……そんなにされたら……あっ、あっ、ああああああっ」
「……」
「あっ」
「……」
「…………はぁ……はぁ……」
「……岩本?」
「……」
「……そうか……岩本……いってしまったのか……」
「……」
「……俺も、すぐにいくよ……」
「いかなくて……いいし……あ……ああ……っ」
「遠慮するなよ……」
「ん……あぁ……っ」
「ん……んく……っ。ああ……ずるずると何か……出て来るよ……岩本のびしょびしょの穴ぐらから」
「ん……うん……ん……うぁ……」
「ぷはぁぁぁっ! ああ、こりゃあもう大洪水だぜぇ。……ん……んっ、んちゅううううっ」
「あ、あ、あああ……や……下りてく……下りて……あ……あぁ」
「ほぉら……もうすぐアララト山だぜ? 方舟ちゃん……。君が欲しいのは、ほら……この……んちゅっ……この……んっ……んちゅぅっ、分厚く艶かしいオリーブの葉っぱだろう? れろれろ。んくんく……っ」
「ちょっ、飲んでない?」
「いやだって飲まないと垂れるし……ん……ん……んく……」
「や……やぁ……はず……いぃ……」
「ん……んく……んっ……。お、出て来ましたよ~。おほっ! ぴくぴくとこれはまた活きのいい!」
「え? それって、どっち……が?」
「え? どっち、って? おっ? おおっ? ドリルしながら、巣穴の中に戻って行こうとしてますなァ……」
「ひっ! やぁぁん、戻ってこないでぇぇぇぇぇ」
「……んくっ、んく……っ。よし、よーしよし、よーしよしよし。んく……ん……く……っ。もう……ちょ……っ……と」
「はぁ……ぅぁ……ああ……あ……ぐるぐる回ってる……回ってねじ込まれるぅ」
「もうちょっと、もうちょっと……。んく……ん……んくっ」
「はぁ……はぁ……っ」
「あ」
「あ?」

 理性が、意識が、俺の体に瞬時にゲットバックしてきた。
 不測の事態が俺に起こってしまったからである。
 聡明なる読者諸君には何が起こったのか説明するまでもないかもしれないが、察しのあまりよろしくない読者諸君のためにひと言で説明してみよう。つまり、こうだ。

 ……飲 ん じ ゃ っ た……。

 岩本の内奥から溢れ出る熱く秘めやかなヌルヌルとした液体をゴックンする作業に、夢中になり過ぎてしまっていた事もあるだろう。
 大洪水を乗り越えて俺の口の中のアララト山の頂上に辿り着いたノアの方舟が、ぐるぐる螺旋の回転をしながらぴくぴくと暴れたせいもあるだろう。
 加えて、そのドリリングしながらのぴくぴくが思いのほか気持ちが良く、俺のエレクチオンがそろそろ限界を超えますよ的な神経刺激信号を出し始めて無我の境地に至ってしまっていたのも、あるいは理由の一端をになっていなくもなかったのではないかと推測するのは俺としてもやぶさかではない。
 因果関係を明確に、順を追って説明してみよう。つまり、こうだ。
 透明なヤツのかけらが口の中で回転運動しながら暴れて気持ちがよかった。
 気持ちが良過ぎてテントを張ったままのエレクチオンがビクンビクンと波打ちはじめて射精しかけた。
 それを押さえ込もうと理性が戻り、理性が戻ったせいで、射精してしまった場合のその後の自分の学校生活の危機を察知してしまった。
 それで、唾を飲んだ。
 その唾と一緒に、飲んでしまったのである。
 ドリルするノアの方舟……良く分からない、生き物的な、透明なヤツのかけらを。
「……高久、どうした?」
 か細い声で岩本が聞いて来た。股間から見上げる胸が、深く熱い呼吸で、ゆっくりと上下している。
 ど、どうよう……。
 少し焦った。
 飲んじゃったものは仕方がない。生だったので、もしかしたら食中毒とかになるかもしれないが、その時は救急車に乗って病院に行こう。と言うか、病院に行くしか手がない。
 あれ? 
 俺はふと気付く。
 食中毒になるようなものにベットリと襲われ、大事な淫穴にまで入られてしまった岩本はどうなんだ? 俺よりも遥かに危険度が高くはないか?
「ねぇ、高久……? ほんとどうしたん?」
 こくこくと俺は無言でうなずいた。全く意味はない。ただ間を持たせようとしただけである。 
「ん?」
 岩本は不思議そうな顔で聞き返す。
「なんでもない。……ぺっ、ぺーっ」
 便器の中に口の中のものを吐き出すフリをして、手を岩本が背にしているタンク横のレバーへと伸ばし、ジャーっと流した。
「……あ、終ったんだ……」
 岩本の声には、どこか切ないような響きが混じっていた。目が潤んでいる。きっと、不安なのだろうが、もっとして欲しかったみたいな感じがなくもないと思うのは俺の下心的観測だろうか。
「ああ、終った。大丈夫、ヤツは下水に流れて行ったよ」
 俺はニッコリと大きな優しい笑顔を見せてやる。
 岩本の脚の間から……岩本を安心させるために。
 そうだ。ほんのひとかけらを飲み込んだだけの俺よりも、全身まさぐられて大事な穴にまで侵入された岩本の方が、ずっと、危険は大きいはずだ。
 とは言え、医者でない俺には、正直、どうしようもない。
 俺がヤツを飲み込んでしまったと知ったら、岩本は物凄く心配してくれるだろう。で、物凄く心配した後、自分の方が状況的にはひどいと気付くだろう。同じ人類である俺に割れ目をちゅうちゅうぺろぺろされただけでも、ロクにしゃべれなくなるほど精神的なダメージをウケる有様なのだ。なんだか分からないヤツに陵辱されたのだと恐るべき真実に気付けばパニックを起こして能登半島のどこかにあるらしい安いサスペンスドラマで良く使われる崖の上から海へと身投げしてしまうかもしれない。そんな殊勝な岩本など想像もつかないが、絶対ないとは言いきれない。
 となれば、である。今この場ではとにかく、嘘をついてでも安心させてやるのが俺の勤めというものではないだろうか。そう、穏やかな気持ちでまずはパンツを履かせ、それから二人で仲良く病院に行く……これがベストの選択だ……。
「破れてないかな……? 処女膜」
 岩本が訊いてきた。
「大丈夫だと思う。血の味はしなかったし」
「全員が全員、血が出るわけじゃないらしいよ?」
「そうなん?」
「うん……。聞いた話だけど」
「え? 誰? うちのクラス?」
「ナイショ」
「そか、うちのクラスか」
「もう……表情、読むなよ」
「はは、悪い」
 時の流れが止まったかのような、まったりとした会話。岩本もほっこりしているようだ……。よし、いいぞ、その調子だ……。甘い顔と優しい言葉で、岩本を落ち着かせてやるんだ……。
「岩本……。良かったな。スッキリしたろ?」
「え……。うん。まぁ……その……まぁ、うん……」
「フフ。良かったぜ」
「そ、そぉお?」
「ああ。俺も……スッキリだ」
「……え、えーっと……また、する? たっ、たっ、高久さえ、良ければだけど……」
「ああ。こんな事がまたあって、もしも我慢ができなくなったのなら……いつでも俺に頼んでいいぜ」
「うん……」
 会話が噛み合っていない部分も若干あるようだが、それは疲労と多幸感のせいで、お互い、頭が上手く働いていないせいだろう。
 俺は立ち上がり、岩本の膝頭……M字のままの脚の膝頭に、そっと手を置く。優しく撫でて、その後、ふくらはぎへ回して自分の方へと引き寄せた。便器のふちから脚を下ろしてやるためだ。もう開脚の必要はないのだ。
 岩本は力を抜き、俺の手の誘導に脚を任せる。両足を床に下ろし終えてから、俺は爽やかな笑顔で促した。
「さぁ、とりあえず、パンツを履こう?」
「……う、うん……」
 とりあえずシャワー浴びたい、と言う気持ちが顔に良く出ている返事だった。しかしまぁ、シャワーなどと言うものは、学校内ではプールに併設のものぐらいしかないワケで、水泳部でもない俺や岩本は、学校側の許可を取らなくては使用できないのではないかと思う。
 それに、第一、である。
 岩本にひっついていて、俺が飲み込んでしまった、例の透明なヤツ、あれの痕跡を洗い流してしまったら、病院に行った時に、いろいろと不都合だったりするのではなかろうか? 皮膚に残ったヤツの体液を採取したりできた方が、正しい処方箋も書き易いと言うものだ……と、素人考えでは思えたりする。
「体中べとべとで気持ち悪いかもしんないけど……。さっさと二人で病院行って検査でもしてもらおうぜ」
「ああ……そか……。そうだよね。でも、さ……」
「なんだよ?」
 岩本は恨みがましい目で俺を見る。
「ケーキ」
「分かってるって。病院終ったら行こう?」
「終っちゃうかも」
「そしたら明日おごるって。約束は守るさ」
「そんなら言う事聞く。あ、ね、いっそデートってのは? 今度の土曜、空いてんだ」
「おー、いいねー」
「どこ行く?」
「おっと、その話をするには、まず……」
 俺は岩本の両の太ももに食い込みながら橋を掛ける薄い布に手を当てた。チャーミングなウィンクを一発パチンと決めてから、こう言った。
「パンツを履いてからだ」
 パンツは濡れている。色々あったのでぐしょぐしょである。雪山遭難したカップル的に乾いている俺のを脱いで替えてやろうかという親切心を起こしたが、思いとどまった。今の俺のパンツを開き切った岩本のあそこにくっつけたら、妊娠してしまうかもしれない。
「いっそ脱いじゃおうかな」
 岩本が苦笑いで言った。
「ノーパン?」
「もうこうなったらとことんノーパン日和って感じ」
 肩をすくめてみせた俺の頭が、何者かによってわしづかみにされた。
「な……っ」
 凄い勢いで世界がひっくり返った。
 あれ? どうした、俺? と考えていたら、背中の全面に衝撃を感じた。
「ちょっ、ちょっとぉッ!」
「きゃあーっ、見ないでっ!」
「やだァ~っ! パンツ見んなぁッっ!」
 俺の周りに女子の脚が林立していた。黒だの白だの紺色だの網だのニーソだのと色々な種類の観察できるソックス達がキャイキャイ慌てふためき、俺の回りから引いていっているのが見えた。ちなみにパンツは見えていなかった。
「なにっ? どうなったっ?」
 どうやら俺は床に倒れている。トイレの床だ。顔だけ起こすと、岩本が入っている個室の前に、女が一人立っていた。
「……なにやってんのよ……」
 真剣な声で、女は唸るように言った。非常に怒っている。怒りの熱気で周囲の空間が陽炎になっているような錯覚が起こるぐらい、見た目明らかに怒っている。太ももの横で、かぎ爪のような形で開ききった右手の指が、ブルブルと震えていた。
 なんとなく分かって来た。俺は、この女に投げられたのだ。頭を掴まれて、岩本の前から引きはがされ、壊れたドアの後ろへと。およそ信じられない怪力だが、彼女なら、彼女の執念というか情念なら、それも可能かもしれない、と、俺は思った。
 彼女が吼える。
「ぬけがけしないって約束したでしょーーーーーッ!」
 角花ななかだった。角花は、泣いていた。滂沱の涙を両の目からじゃばじゃば床に落としつつ、抑えきれぬ俺への怒りに身を任せていた。

///////////////////////////////////
 まだまだ続きます。

【おまけ】
 ・アゲハ町(仮)の最初の方の一部

「はー……。なんとか、抜けたぁ……」
 馬車道に出て、大きな溜め息を吐く。空気を読んでくれたのか、今日は誰も出なかった。133号線を日本大通りの方へ向かっても良かったが、そのまま第三庁舎の前を抜け、まずは赤レンガの前まで出る事にした。そこから海沿いに曲がりくねる道を走れば、待ち合わせの山下公園へ着く。その道を走る外車は多い。ミナの車もまた、黒いアメリカ車だった。
 ミナは助手席の彼に向かって言う。
「着いたらおりて下さいね。二人乗りなんですから」
「えー……」
 シェルビー・コブラという車だった。懐かしい感じの流線型が可愛らしいスポーツカーだが、性能と価格は相当のものだ。悪天候でも乗れるように屋根をつけてもらっていた。
「ミナの膝の上に乗っとくよ」
 笑って放った彼の言葉に、ミナが眉を寄せる。ふざけているのだろうが、彼ならやりかねない。
「ちょっと。先方が驚くでしょう?」
「どうせ見えやしねェさ」
 左ハンドルだから助手席は右だ。右の助手席に、子牛が脚を折って座っていた。
「……それって予言ですか? 件」
 くだん、とミナは言った。それが彼の名前だ。もっとも、彼らに個別の名前はなく、件、と言うのは生物種名に近い。
「見えるワケねェだろォ。常識で考えろよ、常識で」
「私は見えますけど?」
 本革のシートの座面をぱたぱたと尻尾で叩いて、件は笑った。
「見えないって、絶対」
 口角を片方だけつり上げる、投げやりな笑みだった。
 牛の顔ではなかった。
 その子牛は、人の顔を持っていた。

  ※でも伝奇ものじゃない。

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