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『アクト・オブ・キリング』、2014年僕的ベスト映画発表



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1965年にインドネシアで行われた共産主義者・華僑の虐殺事件、その加害者を取材したドキュメンタリー。

横浜のミニシアターでやっていたのをたまたま見つけはしたんだけど、時間が合わなくて行けずに終わったのが、iTunesに入っているのをたまたま見つけて、勉強のために観るかと思い、レンタル。
2014年も最後の最後になってすごいの引き当てました。
(劇場公開は結構、前なんだけど)

映画のバックボーンは1965年9月30日、インドネシアで起こったクーデター。
インドネシアでクーデター部隊によって、軍の最高位にあった六人が殺されるという、なんか日本の二二六みたいな事件が起きます。
折しも冷戦の最中であり、CIAが関与だとか推測もされるのですが、この事件は共産党の陰謀と言う事になり(ここが重要)、共産党がいかに凶暴な連中かというプロパガンダ番組などが作られるようになります。
で、最終的には当時の大統領スカルノは、このクーデターを収束させたスハルト司令官に全権を委譲、スハルトによる軍事政権が誕生することになるんですが…
(ちなみに、このスハルトは第2代大統領として30年以上在任。Gレコのクリムの父親が20年以上って設定なのでそれより多いですね…)
その過程で治安秩序回復を委任されたスハルトの指示の元、共産党狩りが行われる事に。
この時、インドネシアにいた中国系の人たち、華僑も殺されていきます。
犠牲者数は最大推計で300万。
被虐殺者の数字に昨今の日本人は過敏に反応してしまうかもしれません。曰く「数が多すぎる、ねつ造だ」と。
でも、虐殺を実際に行った彼らにとっては、それでいいんです。
なぜか。
虐殺を行った人間が、今現在でも、インドネシアでは英雄だから。
映画の中のワンシーンを引用してみましょう。
女性アナウンサーが、徹子の部屋的なインタビュー番組で、当時、虐殺を行った人間に話を聞いています。
字幕を書き取ったものですが、これ、すべて笑顔で言ってます。

女子アナ「(共産主義者を殺したのは)ギャング映画にヒントを得た殺し方で?」
「ときにはね(自慢げの笑顔)」
女子アナ「映画がヒントなんてすごいわ」
「映画のジャンルによって殺し方も変わります。マフィア映画では車内で殺し死体を捨てる。それもやりました」
女子アナ「つまり共産主義者を撲滅するため、効率的な方法を生み出したわけです。苦しみの少ない方法を選び、過剰な暴力は避けました。その上で共産主義者を一掃しました(笑顔)」

なんなんですかね、これ。
『銀河ヒッチハイクガイド』ですか?
しかもこれ、インドネシアの国営放送なんですよ。
このシーンには、こんな会話もあります。

女子アナ「被害者の子は、なぜ仕返しを考えないのでしょう? (笑顔)」
「したくないわけじゃない。できないんだ したら皆殺ししだ(笑顔)」

この実際に虐殺を行った人たち、アニメやマンガでよく見るヒャッハーな殺人鬼(僕はあんなテンプレな悪みたいものは現実感の欠如に基づく想像力の貧困から来るもので良くないと思っているんですが)じゃないんです。
正直、言われなきゃ分からないぐらいに普通のおじいちゃんです。
彼に関して言えば、元々は映画館でダフ屋をやっていたならずもので、そういう人たちを政権側が使って邪魔な人たちを殺させた。
彼らは今では政治家にとって必要な、それも党大会だかでおおっぴらに称揚される暴力装置です。
地上げや諸々の問題解決で活躍する、要するに昔の日本のヤクザと役割が一緒なんです。

もうひとつ、字幕を抜き書きしてみましょう。
この映画は、虐殺を行った側が、『共産主義撲滅記念の映画を作る』という流れ(どうしてそうなったのかは映画観てください)に沿って進みますが、その中で『共産主義者に対するカウンター勢力である民兵・パンチャシラ青年団が共産主義者の村を焼き討ちするシーンを撮影する』というくだりがあります。

ここに、パンチャシラ青年団の指導者である、スポーツ副大臣がやってきます。
彼を交えて撮影後の、彼の言葉。

副大臣「ジョシュア(監督の名前)、青年団の指導者として言いたい事がある。
 今のは我々の本来の姿じゃない。
 野蛮に見えてはいかん。
 まるで我々が人の血を飲みたがっているように見えてしまう。青年団のイメージが危うくなる。

 だが共産主義者は撲滅せねばならん。完全に一掃しなきゃな。
 ただし もっと慈悲深いやり方で行う。
 さっき撮影したものはたものはひどかった。特に私が中央にいる時だ。

 ジョシュア、みんなが求めているのは真実の物語なんだな?

 それなら ボツにするな。
 我々の恐ろしさを示すために使ってくれ。
 実際はこんなもんじゃない もっと怖くなれる。

  (周囲から拍手)

 国家を脅かそうとする者に対して、青年団が怒った時のシュミレーションだ」
 
 
一番ひどかったのは、『共産主義者への尋問の再現シーン』を撮影する時。
その場に、華僑の人が呼ばれて、自分の叔父が殺された時の事を彼らの前で説明するんです。
(共産主義者撲滅の折には『華僑に会ったら刺す』という作戦も実行されたそうです)

鬱憤を晴らすようにハイになって、叔父の死体の状況や、誰も助けてくれなかった事、道ばたに埋めた事などを、彼らにぶちまける華僑の人。
殺した側の人間たちが、なんの反省も後悔もなく、得意げになって遊びの再現映画を作ってる訳ですから、ふざけるなって話ですよね。
じゃあ、なんで断らないのかと言うと、殺した側の彼らは今でも華僑を脅して金をまきあげる暴力団なんですよ。しかも大物。断れる訳がない。
その後がひどいんです。
この華僑の人は『尋問される共産主義者』の役をやらされます。
椅子に座らされた彼は、もうすっかり無表情になってISISに捕まって首を切られる人みたいな感じです。
(実際、ナタで首を切るといった話も出てくるんですが)
そして「せめて最後に家族に連絡させてください」と鼻水垂らして泣きながら懇願するんです。
最後、下唇を噛む本当に悔しそうな顔の中にある彼の感情を考えたら、あまりのひどさに涙が出てきそうになりました。
この事件、インドネシアではタブーであるらしくってクレジットにはANONYMAOUS(匿名)が並びます。
ダンスコーチからメーキャップまでANONYMAOUS。

余談という訳でもないんですが、デヴィ夫人はこのときのクーデターで追い落とされたスカルノ大統領の第三婦人です。
映画評論家・町山智浩、デヴィ夫人の訴え黙殺に「日本のマスコミは最低だ!」
デヴィ夫人、インドネシア大虐殺の真実を暴いた米監督に感謝「真実は必ず勝つ」

なんでそれが今は美白でくだらないお茶の間番組なんかに出てるんだ!? とも思うんですが、そもそもが芸能界に近い人ではあったっぽいから、モナコ王妃になったグレース・ケリーみたいなもんですかね?

その重さを考えたら『いやあ映画って本当にすばらしいですね』なんてとても言えないような映画ですが、これは観るべき映画です。
160分ありますし、新年早々ウンザリする気持ちになるやもしれませんが、それでも。

最後に、監督の記者会見。
この映画がどういう風に撮影されたのかが、よく分かります。
8年も撮りづけていたんですね。

【Report】行為と演技、虐殺の〈アクト〉をめぐって――世紀の問題作『アクト・オブ・キリング』 text 植山英美


● 2014年僕的ベスト映画

そんな訳で、僕が観た中での今年のベスト映画は、もうこれしかあり得ないでしょう。

『アクト・オブ・キリング』。

劇場で観てないのが残念ですが、日本での公開は今年なんでよしって事で。
今年の映画は楽しんだ事は楽しんだけど去年の『ゼロ・グラビティ』ほどの衝撃がなかったのを、全部ひっくり返してくれました。
とは言え、観てる数がまだまだ多くもないんで、当てになったもんではないんですが…。

他に良かった映画を挙げて行きましょう。


●『怪しい彼女』


韓流。
ベタな笑いが滑らないリズムの良さと、ちょっとせつなくなる話。
素直に韓流すげーーーー!! と思った。

●『バルフィ! 人生に唄えば』


インド。
ダンスのないインド映画というのは逆に新鮮でした。
これも笑いあり涙あり、ちょっと切ない感じという。

●『たまこラブストーリー』


もうホント、観てる時の自分のニヤニヤっぷりが。

●『美女と野獣』


ファンタジー世界の映像美。
この映画は、もう、それにつきます。

今年はこんな感じですかねぇ。
来年もまた、いい映画に巡り会えるといいなあ。
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