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あさじむおう

Author:あさじむおう
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『海よりもまだ深く』


日本人の人生。

マンガやアニメではキャラクターと言うものは記号か物語上の装置でしかなく、それらに比べれば心情描写を連ねやすい小説のキャラクターもどれだけ連ねても分かりやすいように整列された文章でしかありえず、そのため観たり読んだりする手間をつい惜しんでしまいます。
実写映画が好きな理由のひとつは、役者の芝居や映し方によって、そういう記号的な人物像を超えられる所。
人間が一連の表情や仕草から感情や意味を読み取る能力、すなわち空気を読む能力というのは面白いものだな、と思うんですが……まあ平たくと言うとですね、、この映画、ぶっちゃけリアル過ぎて老人が側にいる身としては痛く突き刺さる。
他の方の評とか読んでいても会話がリアルとか言う同意見は多数みたいなので、この感覚は分かる人にはよく分かってもらえると思います。
分からない人というのはどういう人かと言うと、ある程度の年齢に達していない幸せな人。
10代はまず観に来ないだろうから良しとしても、20代、30代だとショボい日常しかないつまんない映画にしか見えないんじゃないでしょうか。
僕ほどの年齢になると、強請った高校生に「あなたみたいな大人になりたくない」と言われて、「スネかじりが」と笑って吐き捨てた阿部寛の方に共感するようになります。(笑)
この映画、「息子に会うためならなんでもするぞ」などと言って、やったのが高校生を強請ることという清々しいまでのダメ男っぷりを、阿部寛が好演しています。
アントマンも娘に会うために犯罪者に逆戻りしてアントマンになったんですが、この映画での阿部寛はヒーローにもなれず、純文学の賞を1回とったきり鳴かず飛ばずのまま、それでも小説家としてやっていきたいと努力だけはしているが全く目が出ない上に、編集者から勧められたマンガ原作にも乗り気にはなれないぐらいの小さなプライドに支えられている男。
(この時の編集さんの態度も、なんだかすごくリアルな感じです)
ええまあ、分かります!! 僕も彼と重なる所の大きい充分なダメ男ですから。未だに「なりたいものになれていない大人」ですから。
でもって、彼のそんな苦悩がこの映画で嫌と言うほど描かれる…と言う訳でもなく、彼と彼の母親、別れた妻、姉、と、家族や元家族を通して、なりたいものになれなかった・なりたいものなんかなかった大人たち、世界はどうだか知らないけども日本における大半の一般人の生きている姿を、この映画は描いていきます。
この年老いた母親を演じる樹木希林がすばらしい。
ボケ老人的な台詞にしなかった脚本も素晴らしいんですが、老人の住まいの匂いまで伝わって来そうな芝居との相乗効果で、ひとつひとつの台詞が本当に切なくなります。
「あんた、私が寝たきりになるのとポックリ逝くのとどっちがいい?」とか「チョウチョがついてきて、お父さんかなーって、まだお迎えはいいですからって」とか、やめろよ!! そういう事日常会話で言うのやめろよーーーー!! そうなんだよ、老人は言うんだよ、そういう事ーー!!
ちなみに「寝たきりに〜」と訊かれた時の阿部寛の最初の返答は、「どっちもやだよ」なんですけれど、そりゃそうだよ!! 僕だって同じ事言うよ! て言うか言ってる気がするよ!
「海街Diary」では編集に僅かな雑味や、原作マンガの台詞だったためかのマンガの台詞臭さは、こちらではなくなっていました。
小津安二郎の「秋刀魚の味」を思わせる指示代名詞「アレ」を多用する台詞が「海街Diary」よりも更に自然な印象になっており、映画としての完成度は高いものになっていたと思います。
暗く押しつけがましい話になりそうなテーマでありながらも、台風一過のように快い感じになっており、地味ながらも良い映画でした。

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