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あさじむおう

Author:あさじむおう
文章荒れまくってるブログですが
いつもボロボロになった1日の終わりに
書いてるので許してください。

さまざまな活動報告や、映画、音楽の感想を中心に。

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タイトル未定
地震で止まってしまってましたが、続けますヨ!

【前回までのあらすじ】

 神奈川県海老名市。
 県立第三海老名高校に通う高久勇樹は、ある朝、大いなる相模川沿いの通学路にて岩本里奈と出会う。
 教卓にてパンチラ撮影会を開催する里奈。だが、ひょんなことから、かつて里奈と学級委員の座を争い、戦わずして破れた角花ななかにパンツを脱がされてしまう。
 生徒指導室送りになる一年四組一同。高久もまた、例外ではなかった。
 高久が教室に戻る頃には三時間目が終っていた……。
 
 あと変な電話がかかってきたとか、なんか伏線っぽい事を角花に言われたりとかもしてました。

#6

 シートの横を指でトントンと叩く軽い衝撃が背中に伝わった。
「そろそろだとさ、アナ」
 アナと呼ばれた少女が、手元の雑誌から目を離し、声のした右へと首を回す。
 デニスがいた。
 デニス・ジョプリン。アナの知る限りでは、逞しい男のはずだった。だが、鍛え上げたはずのその体は、今、女性らしい儚さに犯されてしまっている。顔立ちもそうだ。以前の無骨さにとってかわり、女的な、頼りのない繊細さが表情を支配している。
 人間と言うのは、こうも変わる物か。再会した瞬間の驚きを、アナは未だに引きずっているが、それを表に出さないように努めていた。
「ずいぶんと早いのですわね」
「そうかい? 俺はもう映画にも飽きた所だったよ」
 顎をしゃくりあげるようにして微笑むのは、アナの癖だ。人を小馬鹿にしたような印象を与えてしまうから良くはないだろう、と気をつけてはいるものの、中々、直らない。
「新生活の始まりね」
 アナが言った。
 デニスは、こう応えた。
「ああ。小さくも偉大な第一歩だ。四倍のジャンプは出来ないがね」
 ウィンクをしながら右肩だけをすぼめるように少し上げる。ジョークを言う時のその仕草で、アナは、この人は確かに、自分の知っているデニス、デニス・ジョプリンなのだ、と、感じ取った。
「……治療法、見つかるといいですわね」
「そうだな」
 あわよくば、という話でしかないからだろうか。自分の事だというのに、デニスの返答はおざなりだった。
 あるいは、慣れてしまったのかもしれない。今の自分に。
 アナの心の中で、デニスを哀れだと思う気持ちは強い。だが同時に、嗜虐的な気分も沸き起こる。
 降下開始のアナウンスが機内に流れ、デニスが通路向こうの席に座る。
 客席には、アナとデニスの二人しかいない。国をまたいでのプライベートジェット状態で、大統領にでもなった気分だと、離陸時、アナとデニスは笑い合っていた。
 日本。アナは過去に暮らしていた事のある国だが、デニスは初めてだ。
 アナの口元に笑みが浮かぶ。通路向こうのデニスへと、彼女は言った。
「私はそのままでも、よろしくってよ」
 鋭い爪で掴んだ獲物を玩具にして遊ぶような、危険な艶やさかを孕んだ笑みだった。

#7

 また怒られた。
 今度は岩本と二人で呼び出され、二人で生徒指導室に入り、野呂先生のお説教を聞かされるうちに四時間目が終った。
 今度は殴られなかったが、一体、学校に何しに来てるんだろう? という気持ちにはさせられた。
 親愛なる読者諸君! しかしまぁ、他はみんな大人しく座って授業開始を待っていたと言うのに、たった二人、携帯でやりとりをしていたというだけで学級崩壊とショックを受けて出て行ってしまう桃咲先生もどうよ? と俺は思うのであるが、どうだろう? 今の時代、教師もいろいろとあるんだろうとおもんばかったりなんかもするのだが。
 携帯を取り上げられなくて良かった。今時は携帯にGPSとかついていたりして、防犯装置として利用している学生もいるから、取り上げてしまうと何か起こった時に問題になると学校側も分かっているのだろう。
 残念ながら、例の写メのデータは削除させられてしまったのではあるが。
 なんか疲れ切っているうちに午後の授業も終わり、そして、ホームルームも終了。つまりは放課後。
「終ったぁーーーーーーーーっ!」
 思わず叫んでしまった。
 教卓の方から、キッ、と、野呂先生の凄まじく鋭い視線が飛んで来た気がするが、気付かなかった事にしたい。
 俺はこれから岩本とおデーツな訳だが、その岩本はただいま、女子たちとの放課後のおしゃべりにキャイキャィ勤しんでいる。女のおしゃべり姿ってベルサイユ宮殿での貴族のパーティーみたいだなぁ、などと今、ふと思ったが、事件など何もなかったかのような、いつもの光景である。
 こちらとしては、岩本が適当な所でおしゃべりを切り上げて俺の席までやってくるのを待てばいいのだが、岩本の場合、約束などすっかり忘れて一人で帰ってしまう可能性が充分にある。よって、岩本の姿を視界の端に入れるよう留意しつつ、ずーっとグテーっとしていたので全くしていなかった帰り支度をノロノロと始めた。
 ゆら~り、ゆら~り、と、男が一匹、俺の方へと近づいて来る。背の高い、紅いアンダーリムの眼鏡をかけた、色白の男だ。
「高久くん、高久くん」
 ゆら~り、ゆら~り、と、左右に揺れながら俺に呼びかける。こんな中国憲法の達人のような怪しい挙動で生活している人間は、このクラスには一人しかいない。
「なんだよ、仁科くん」
 仁科仁志。俺の友達の一人だ。
 眼鏡の紅いブリッジを中指で、くいっ、と仁科は押し上げる。
「本日、消毒の儀を執り行う事になったのだが、貴君もどうであるかな?」
「なんだよ、消毒の儀って」
「不浄なモノによって毒されてしまった我々の目を、曇りなき眼に清める儀式である」
 岩本の友達でもある俺としては怒ってもいい所なのだが、岩本も聞いてない事だし、たしなめるだけにとどめておく事にした。
「こらこらこらこら、新たなる生命の生まれ出る神聖な穴に向かって不浄とはなんだ。っていうか、岩本には言うなよ? そういう事」
「失敬な! 小生を愚弄するか、高久くん! この仁科仁志、それぐらいの礼儀は弁えておるわ! たとえ相手が空虚な三次元の、いつか腐り行く肉の固まりと言えどもな!」
 仁科は憤慨した。
 パンツ画像をドルで買おうとした北原と言い、どうしてうちのクラスにはこう、色々と情緒に問題がある男が揃っているのだろうと、正直、思うが、他人の事は言えたもんじゃない自覚はあるし、これで仁科は繊細で、情緒がどうとか突っ込むと結構、凹むので突っ込まないでおく。
「そうか……。それならいいが……」
 憤慨したせいでテンションが上がったのか、仁科くんは握りしめた拳を振り上げて力説する。
「ビッグ・リィーーーップ! 宇宙爆誕より一三七億年……膨張を続ける宇宙はいつか全てが……素粒子に至るまでバラバラに引き裂かれてしまうのだ……。なにもかもが永遠ではない……ゆえに! 生き物が繁殖する事など無意味! 当然、繁殖のための行為である現実の性交も無意味! すなわち三次元の女肉への執着など愚の骨頂!」
「いつかって、いつだよ?」
「詳しくは言えないが……。いつか……必ず……必ずや……」
 仁科が遠い目をする。どうやら明日明後日の話ではないらしいので安心した。『宇宙の終わり』とか『宇宙の終焉』あたりでググったら出て来るかもしれないので、後で調べてみてもいいかもしれない。
 仁科は、岩本がパンツを晒した時に、ジメついて目を背けていた三人の中の一人だ。徹底的な女性嫌悪を標榜している仁科くんだが、それはあくまで表面的なものだ。女性に対して奥手な自分に自信を持とうと、彼なりの合理主義に基づいた自分理論を積み上げて行くうちに、間違いには気付いたものの高く積み上げ過ぎて引っ込みがつかなくなってしまったというタイプである。たまに岩本に話しかけられると、吃って頬を赤らめるので、本当はナマの女の子にも興味津々だと良く分かる。
「高久くんは……三次元でもイケるんですもんね」
 股間から声が聞こえて、思わず「うぉぅ」と声を上げてしまった。机の下に目を向けると脚の間に水無瀬の顔があった。水無瀬礼央。礼央と書いてレオと読む。男だ。同じく目を背けた三人の中の一人で、俺の友達の一人である。
「なっ、なにやってんだよ? 水無瀬」
 てへり。
 水無瀬が笑った。ちょっと可愛かったが、それを言うとシャレにならないぐらいふさぎ込むので言わない事になっている。
「ごめんなさい。消しゴム落としちゃったんですぅ」
 無垢な子供のように邪気のない笑顔。極めて童顔。女の中でも背の低い岩本よりも更に低い背。
 この童顔と低い背のせいで女に間違われ続け、結果、水無瀬は現実の女性を嫌悪するようになった(本人談)。
 しかし女性そのものは好きらしい。水無瀬は二次コン……二次元コンプレックスである。現実とかけ離れた造形のアニメやゲームの女性キャラクターにのみ、恋心や下心を抱く事が出来るのだ。
 俺もまぁ、深夜にやっている萌えオタク系アニメの風呂シーンだのフランクフルト食うシーンだのでは良く抜くが、二次元だけではなく三次元もきちんと使うようにしている。バランスの取れた性生活、それが俺の健康の秘訣だ。
「……あった! わぁい、わぁい!」
 消しゴムを見つけたのかはしゃいで、水無瀬が俺の股間からモゾモゾと去って行く。
「水無瀬も出んの? 消毒の儀とやら」
 水無瀬は立ち上がり、パンパンと膝をはたきながら言った。
「そりゃぁ、もちろんですよぉ。同じ部分の純粋二次元で記憶を上書きしないと……僕……あんなエラーを見たって事実に、到底、耐えられそうにないですもの」
「……あんなエラーとか岩本に言うなよ?」
「あっ、はいっ。ごめんなさいです」
 岩本の話だと、結構、女子からの注目度は高いらしいのに残念な奴である。
 ゆらゆらしている仁科の隣に、びょこん、と、水無瀬が体を寄せる。
 ジメついていたのは三人。つまり、あと一人いる訳だが……と思っていたら、そいつが期待通りに現われてくれた。
 パンパンっ!
 パンパンっ!
 二回ずつを二セット、神経質な様子で手を打って登場したのは葉山。葉山正一だ。
「君たち、黙って聞いていれば先ほどから、少々、お下品が過ぎませんかね?」
 基本、二次元の女の子が好きという一点で繋がっている俺たち四人だが、その内実は今まで見て来たように様々だ。葉山は一応、俺と同じで三次元の女性でも行ける口だ。
「まったく、昨今の女は慎みがなくッていけませんネと思っていれば、男は男でまたこれだ。女性を見る目はもっと厳かでなければなりませんよ? いつでも、尊敬と崇拝の眼差しで、ネ☆」
 ただし三次元は完全着衣に限るらしい。肌の露出は極力避けるべきとの考えで、下着はもちろん水着もNGのようである。フェミニストなんだか女性蔑視なんだか良く分からない。なお、二次元である場合には下着も水着も全裸もウェルカムらしい。
 とりあえず、いつもの葉山に戻ってくれたらしくて安心した。一番、ショックを受けていたようだったので心配はしていたのだ。
「お前は行く訳? 消毒の儀」
 さきほどの水無瀬の言葉から察するに、消毒の儀とは、要するに二次元鑑賞会らしい。部屋を真っ暗にして、持ち寄ったアニメだかゲームだかを鑑賞するのである。なんやかんやと理由をつけては時々やっている事で、あまりにエロ過ぎて二話以降が放送禁止になったという伝説の深夜アニメのブルーレイディスクを買ったと水無瀬がこの間俺の耳元に囁いてくれたので大変に興味は惹かれるのだが、今日は岩本にケーキを食わせる約束がある。
「ええ、もちろん。下劣な汚物の記憶のせいで、ピュアな概念それ自身が汚されたままでは、この世の女性全てに対して失礼ですから、ネ☆」
「……下劣な汚物とか、岩本に言うなよ?」
「それなら、貴方から岩本さんに、今後は存在としての女性の品位を落とすような真似をしないように言っておいてください」  
「まぁ、言っとこう。覚えてたら」
 こいつらとは高校に入ってからだ。だから、長い付き合いと言う訳ではない。なんだかアクの強いのばかりが集まってしまった気がするが、お陰でつるんでて、結構、楽しい。なお、他にも友達と呼べるぐらい気心知れた奴も結構いるのだが、紙数の都合で割愛させていただきたい。きっと、そのうち出て来るだろう。
「で、どうするんですか? 高久くんは……」
 いかにも『出来れば、来て欲しいなぁ……』という目線で水無瀬が訊いてきた。女に生まれればさぞかしモテただろうと思われるものの、女に生まれてたら女からは嫌われそうだと思えるような、そんな庇護欲を誘う視線だった。
「悪ィ。今日ダメだわ、約束ある」
 そう答えて、女子とおしゃべり中の岩本のいる方を見る。
 いなかった。
「……あっ、あの野郎!」
 俺は慌てて椅子から立ち上がり、鞄に忙しく荷を詰めフタを閉じる。
「なるほど。貴君は、岩本さんとデートと言う訳であるか、高久くん」
「ああ、まぁ、そういう事だ、仁科くん」
 鞄を引っつかんで、教室の外へと急いで向かおうとした。
 三人の横を通り過ぎて何歩か行った辺りで、三人の方を振り返る。
「んじゃ、また明日っ。今度また誘ってくれ」
「ええい、この裏切り者めがッ! 行けッ! どこへなりと行ってしまうが良いッ!」
「品位の件、岩本さんにキツく言っておいて下さいネ☆」
「……残念……ですぅ……」
 同時にそれぞれの別れの挨拶を口にした三人に向かって片手を振り、机と他の生徒たちの間を縫って教室の外へと向かう。
 廊下に出た。放課後混雑中の生徒たちに目を走らせ、岩本の背中を探したが見当たらなかった。既に階段を降りてしまったのだろうか。
「……どーこ行ったぁ?」
 つぶやいてしまったが、既に帰路の途中に決まってる。走ると人にぶつかるので早足に抑えて廊下を抜け、階段を下り出した。
 ちょっとカッコいいポーズで最初の踊り場に着いた時、ポケットの中で携帯が震えた。足を止めずに電話に出ながら、「あ、そうか。こんな慌てないでも携帯で連絡つけりゃいいんだ」と気がついた。
 
 ぴーー……が……がッ……ががががが……ぴー……びゅっ……ぴゅるるるるるるるるるるっ

 またしてもノイズ。四時間目が始まる時にかかってきた、例の雑音だった。
 足を止める。片方の耳を手で塞ぎ、携帯から聞こえて来る音に耳を傾ける。

 が……っ……がががぴー……ぴー…………ぴゅるるるるるるるるるるるるる……。

 ぴゅるるるるる……の部分は音声を早送りしているような音だが、他の部分がそもそも雑音なので、何か意味のある物のようには聞こえない。それでも、もしかしたら人の声でも混じっているのではないかと耳をすましてみる。
 雑音は雑音だった。不規則なノイズがずっと続いている。
 電話代はかけてきた向こう持ちとは言え、いつまで続くのか付き合う気はない。そろそろ岩本にも電話したい。その前に一応、と考え
「……もしもし?」
 と、問いかけた。
 雑音が切れる。いや、切られた。ブチっと音がして、しばらくの無音の後、ツー……と通話終了後の電子音が流れ始めた。
「なんなんだ、ホントに……」
 ぼやきながら、携帯を耳から離した時だった。
「うひゅあああああああああああああああああああああああああああっ!」
 岩本の声がした。
「岩本っ?」
 上の階からだ。
 俺は今下りて来たばかりの階段を駆け上る。下りてくる生徒達に何度も何度もぶつかった。
「悪いっ! 急いでんだ!」
 文句が耳に入って来る度に謝ったが、足は止めなかった。下校中の多くの生徒達が、岩本の妙な叫び声が響いて来た方へと顔を向けていた。それらの顔が向いている方向を頼りに階段を上がり続ける。
 俺たちのクラスのある五階へと着いた。
「……あああああああああああああああああああああっ!」
 まただ。また声がした。岩本の声だ。今度のはハッキリと悲鳴だった。
「岩本ォォォォッ!」
 声のした方向へと廊下を走る。ガンガン人にぶつかったが、気にしている場合ではなかった。どこだ? どこから声がした? どこにいる?
「ひ……ひ……ぃ……っ、あ、あ……がッ……が……ッ」
 聞こえた。さっきまでとは違う、小さな声だった。生徒たちのざわつきの中から、必死でその声を拾う。怯えのような、苦痛のような、濁った声だった。
「……ここかッ?」
 心配げな顔の女子が、壁に開いた穴を覗き込んでいる。岩本の声は、その奥からだ。穴は四角い。コンクリートの壁面にポッカリと口を開けている。人の出入りが可能な幅と丈がある。迷わず俺は中へと入る。
 見たことのない部屋が、そこにあった。狭く無機質で、見慣れない構造をしている。数人の女子がいた。誰も何も言わずに、不安げな目を、ある一点へと向けている。岩本の声は、その方向から聞こえて来る。
 ひとりの女子が、ゆっくりと俺の方へと顔を向けた。
 その眉根に皺が寄って行く。信じられない、という表情で
「きゃあああああああああああッ!」
 彼女は叫び声をあげた。
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