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あさじむおう

Author:あさじむおう
文章荒れまくってるブログですが
いつもボロボロになった1日の終わりに
書いてるので許してください。

さまざまな活動報告や、映画、音楽の感想を中心に。

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続きです
【これまでのあらすじ】

 神奈川県海老名市。県立第三海老名高校。
 パンチラ撮影会のために終ってしまった無駄な一日の放課後。
 級友の岩本里奈とデートの約束をしていた、主人公、高久勇樹だが、男友達の相手をしているうちに、彼女に先に帰られてしまう。
 追いかければ間に合うかと思い、教室を後にする高久の耳に、岩本里奈の悲鳴が響く。
 救出に向かう高久。
 辿り着いたのは、見知らぬ女子の集う、不思議な部屋だった……。


#8

 知らない女だった。
 耳障りなけたたましい高音が、限界ギリギリまで大きく開けられた女の口から響いた。狭い部屋の中で暴れる反響の尾が、俺の正常な思考を奪う。
 先客の見知らぬ女子たちの毒気を帯びた暗い視線が、俺を突き殺そうとする。焦燥感が俺を苛む。自分はここにいるべきではない。いてはならない。
 不思議な部屋だ。見たことがない、と、入ってきた瞬間に判断したはずなのに、その『見たことがない』と言う記憶に、今、嘘くささを感じている。
 俺はここを知っている……知っていた、のかもしれない。だが……
 ……何かが足りない。
 ……何かが多い。
「や……やだ……ちょ……これ……あ、ああ……あ……っ」
 岩本の声で我に返った。
「岩本っ!」
 名を呼びながら、桜色に塗られた扉を叩く。岩本の声は、その奥から聞こえる。ドンドンと音は立つが、扉は開かない。扉にノブはない。この扉にも見覚えがあるような気もするが思い出せない。
「いやっ、やめ……っ、やめ……てってば……ぁっ! あ……あああっ」
 力任せに叩きつづけた。桜色の扉がしなった。
「岩本っ、岩本っ!」
 軽く薄い扉だ。学校の中で乱暴な事はなるべくしたくはないが、力任せに蹴飛ばせば壊せるかもしれない。
「やぁぁぁっ、や……助け……て……っ、助けてぇぇぇっ」
「ボケがァッ!」
 ドガッ!
 右の足で思い切り蹴った。格闘技の心得など全くない俺だが、火事場の瞬発力なら自信がある。バキッと木の板が壊れる派手な音がして、扉が勢い良く内側に開いた。
「ひッ!」
 声を詰まらせたのは、中にいた岩本だ。扉が岩本にぶつからなくて良かった。一人がようやく入れるような狭い個室の中、岩本は扉のすぐ前にいた。座っていた。
 パンツを、ひざの下まで下ろして。
「……たか……ひさ……」
「……」
 岩本の脚の間に、何かが見えた。未来派(二十世紀初頭のイタリアの芸術運動)の作品を思わせる流線型のフォルム。色はクリーム色。硬い材質……陶器だろうか? 見覚えがある……。その上に岩本は座っているようだ……これは……そう……
 便器だ。
 俺は急速に理解した。俺が今、どこにいるのかを。
 女子トイレだ。
 なるほど、そういう事か。道理で見たことがないくせに知っているような気になる訳だ。つまり、足りないものは小便器、多いのは個室の数、だったのだ。ああ、女子トイレって狭いんだなぁ。
「……あ……や……あぁ……高久……助け……て」
 またしても岩本の声で我に返った。
 よくよく観察してみると、パンツを下ろした岩本の体に、何かテラテラした液体なんだか個体なんだか良く分からない物体が、べっとりとのしかかっているようだった。
「……それ、なによ?」
 正体が分からなかったので、岩本に訊いてみた。スライムとかアメーバーとか、そんな感じの何かじゃないかとは思う。思うが断定はできない。というか、スライムって実在するのだろうか? アメーバーは生物の授業で見たけど、こんなでっかくなかった気もする。色は無色透明。食べ物に例えるならゼリーというかくずきりというか、ちょっとおいしそうではある。
「なんだと……思う?」
 怯えた目で岩本が聞き返してきた。分からないから訊いたのだ。なにしろ男子にとっては禁断の花園、女子トイレの中での出来事なのだ。男の俺に分かる訳がない。それでも知恵を絞って考えてみた。
「女子がトイレで使うもの?」
 賢明なる読者諸君。これはいわゆるひとつのオブラートに包んだ言い回しである事を了解して欲しい。俺も詳しくは知らないが、女ってのはいつも持ち歩いている巾着に秘密の道具を隠し持っているらしい。いわく、タンポン。いわく、ナプキン。具体的な使用の手順は男の俺には謎だが、最終的には股間に装着するもののようで、女子トイレが混む事が多いのはそのせいらしい。伝え聞く所によれば、タンポンとナプキンはそれぞれがまるで違った形状をしており、最終的な目的は一緒ではあっても装着方法は全く違うのだという。ただひとつの目的の為に、全く違う二種の秘密の道具。それならもう一種ぐらい秘密の道具があってもおかしくはないだろう。女は秘密が多い方が魅力的だとも言う。
「そんな訳ねーじゃん!」
「だよなぁ」
「あああああぅぅぅぅ……。ヌメってしてるぅぅ……」
 無色透明なので分かりにくかったのだが、よくよく見ると表面がピクピクうごめいていた。岩本に覆いかぶさってハァハァとエクスタってるみたいでなんだかムカつく。嫉妬だろうか。今朝のパンモロ撮影会の時には群がる男子がどれだけ下劣に発情してようが気にならなかったのに、こんな無色透明な奴に嫉妬とはいささか滑稽な話ではある。
「おいコラっ、どけよテメぇっ!」
 無思慮ではあったが、俺の手が反射的に岩本の方へと伸び、無色透明の奴を掴んで、ひっぺがそうとしてしまった。
 掴めた事にまず驚いた。岩本が言うように、ヌメっとしていた。滑りそうになったので思い切り指に力を入れて腕を引くと、千切れた反動でブルンと震えた。正直、キモい。
「うらぁっ! この野郎っ! このキモ無色! 変態透明野郎!」
 キモさも手伝って、千切っては後ろに投げ、千切っては後ろに投げ、そんな作業に精が出た。
 壊れた扉の後ろにはさっきの女子がまだ立っていたらしく、俺が千切って投げた無色透明のカケラがびちゃびちゃ音を立てて床に落ちる度に、ひゃあひゃあと悲鳴を上げた。なんか色々と俺への非難の言葉も混じってはいたが、そんなに言うんだったら岩本をこの変態プルプル透明野郎から救う作業を代わって欲しい。俺だって別にやりたくてやってる訳ではない。
「はぁはぁ……。結構、取れた感じ?」
 しかしまぁ、掴んでひっぺがせるような奴で良かった。岩本の肌や服は透ヌルヌルしているが、溶けてるのではなく透明野郎の体液なのだと信じたい。どんな種類の体液なのかまでは想像したくない。 
「あぅぁ……。ありがと、高久……」
 岩本は、すっかりしょげている。先を制して教室の男どもに「襲わないでねー」と注意をしていた岩本も、まさか、こんな無色透明な奴に襲われるとは夢にも思わなかっただろう。俺だって思わなかった。
「うむ。でも泣かないのは偉い。岩本はホント強いな」
 涙目ではあっても、泣いてはいない。そういう性格であって、意志の力でガマンしたのではないとは分かるが、俺は岩本の頭をよしよしと撫でてやった。
「はは……。岩本里奈、良い子強い子元気な子、ってね」
 照れて苦笑いを浮かべながら岩本がピースサインを出した、その時だった。
「うひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!」
 岩本が妙な悲鳴をあげて飛び上がった。
「あいたぁぁぁっ!」
 岩本の顔に顔を近づけていた俺は、猛烈な頭突きを喰らってしまった。クラっと来たが、岩本の方が心配だった。額を摩りながら訊く。
「ど、どしたっ? 岩本っ」
「あ、あぁ……ああひぃ……」
 岩本は便器から腰を浮かせてブルブル震えている。くの字に曲がった膝を内股で合わせ、いわゆるへっぴり腰という奴になっている。指がピースサインのままだ。力が手の指にまでしっかり回らないのか、かぎ爪状になっている。はっきり言ってかなり変なポーズだ。
「ど、どうした? ホントに……」
 何か抜き差しならぬ事態が生じたのだろう。それは分かった。
「は、入って……来た……ヌルって……」
「え? ど、どこにっ?」
「あ、ぁぁぁ、穴……」
 そう言って岩本は真っ赤になってうつむいた。変なポーズとかぎ爪ピースサインのままだ。
「穴?」
 聞き返すと、岩本がこくんこくんと無言で忙しくうなずく。
 俺は……俺は、何が起こっているのかを考えたくなかったのかもしれない。目の前で起こっている現実から逃げ出したかったのかもしれない。ちょっと考えれば分かりそうなものなのに、岩本が次の言葉を放つまで、岩本の身に起こっている状況を察知できなかった。
 岩本はうつむけていた顔を跳ね上げて、大きな声で叫んだ。
「やぁぁぁぁんっ! ダメっ、ダメダメダメダメダメダメっ! 処女膜、破れちゃうからぁぁっ!」
 なるほど、どうやら本気で抜き差しならぬ事態らしい。
「取って、取ってぇぇぇ! 本気でキモい……キモい、キモい、きもぢわるい……っつーか……あ、あああ……」
 岩本の股間に目を向ける。繊細でやわらかなな春の草原の上で例の無色透明がプルプルと絶頂を迎えているのが見つかった。掴んで引っぺがしたが、ぶるんと震えて千切れたような感じがした。感じがした、というのは、俺は今、岩本の股間を見下ろしている形になっているので、隠れた場所にそいつの残りがいるかいないかまでは視認できないからだ。
「う……ひゅ……ぅっ」
「……取れた?」
「……ま、まだ……中に入って……る……」
 困った事態になってしまった。
 色々な意味で。
 岩本の中に入っている透明野郎の残りを、どうやって取ったらいいのだろう。ここから見えないという事は、相当な小ささになってしまっているのではないだろうか。掴むどころか指先でつまむ事すら難しいかもしれない。
 ぐずぐずしてたら岩本は本当に処女膜を破られてしまう。嫁入り前だし初めては好きな人とと言ってたし、それは避けてやりたい。
 それからもうひとつ。岩本の危機に際してなんだが、俺の体のド真ん中に位置するチャクラがムクムクと目を覚ましかけてている。暴れん棒のチャクラだからこのまでは大変に危険だ。衆目もある事だし、「俺が体を張ってかき出してやる!」みたいな適当な事をわめきながらヒロイックな行動を起こさないよう鋭意努力したい所存だが、パンツの中で暴発したらどうしよう。
 繊細な判断が要求される局面を迎え、無力さを痛感している俺に、岩本が声をかける。
「ね、ねぇ……高久……」
 艶がかったその響きに、俺のチャクラのヒートがネクストレベルへと進化する。
「な、なに?」
 岩本の顔を見ると、潤んだ目がトロンとしている。耳まで真っ赤だ。
 ああ、こいつやっぱり女なんだな、と感じてしまって、チャクラのヒートレベルがまた上がった。
 かすれた弱々しい声で、岩本はこう言った。
「……吸って……?」
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