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あさじむおう

Author:あさじむおう
文章荒れまくってるブログですが
いつもボロボロになった1日の終わりに
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さまざまな活動報告や、映画、音楽の感想を中心に。

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「A.C.T」 真実の声優業界
 これはもう大体、完成させられるような軌道に入ったんだけど、多分、賞とかには送らないんじゃないかなーと思います。
 なんでかって、まぁ……その、なんだ。読んだら分かるんじゃない?(笑)
 「テニプリ」とか「ザ・スター」みたいなトンデモ能力の使い道を明らかに間違っているような奴が好きで、声優業界を舞台にしてあんなのできないかなーと思っていたんだけど、「雷の能力を持つAランク」とか分かる人にしか分からない懐かしい設定を考えていたら、なんか色々とふくれあがり、あれれっ? 案外シリアスに。
 多分これは、最後まで行くので、モノクロでも絵をつけて、なんかしらの形でまとめたいですね。
 
///////////////////////////////////

「A.C.T」

● テレビニュース

 世界主要テレビのニュース映像。
 まずはCNNから。
 
キャスター「競争の激化するアニメ産業と、音声合成技術の進歩が、遂に究極の機械を生み出しました」

 続いて、イギリス・BBC。  

キャスター「ロボット声優の登場です」


 ドキュメンタリー番組のナレーション。

ナレ「声優。主にアニメやゲームのキャラクターに声を当てるのを生業とする、いわゆる『中の人』だ」
ナレ「過去一世紀、何度ものブームの元で進化した彼らは、現在では、発声・演技・戦闘・歌謡など、多様な特殊能力を身につけたプロフェッショナルだ」
ナレ「過酷な訓練を耐え抜いてプロになっても、その先にまだ熾烈な競争が待ち受けている。『ランカー』と呼ばれるプロ声優たち……。ランクの最上位は、すなわち『A』!」
ナレ「そして、現在、Aランクの声優は、ただ一人」

 ドイツ・ZDF。

キャスター「日本の声優協会は、ロボット声優運用への反対声明を出しています」

 日本・民放。

キャスター「えーっ、こちらロボット声優反対デモの立てこもり現場です。あっ、今、警官隊が突入しました! 警官隊の突入です!」

 アメリカのトークショー番組。
 ゲストで呼ばれるロボット声優、『ミライ』。

司会者「今日来ているのは話題のあの子。みみなさんご存知? 『ミライ』!」
ミライ「こんばんは。ミライです」 
司会者「本当にロボット? 見えないなぁ。 しかも声優さん? どっちかというと可愛いレイヤーさんって感じだね」
ミライ「あなたは司会者って言うよりハリウッドスターって感じですね」

 ミライのジョークに観客が沸き立つ。
 このトークショー以降、ミライは顔出しでメディアへと露出して行き、民衆の好感度は上がって行った。

 AFPの秋葉原での街頭インタビュー。

通行人A「まぁ、最初は機械の声なんて、って思ったけど」
通行人B「いいんじゃないですか? これでまた経済が回りますしね。消費は美徳っすよ」
通行人C「ミライたん萌えーーっ!」

 NHKニュース。 

キャスター「ただ今入りましたニュースです」
キャスター「ロボット声優『ミライ』が、何者かに強奪されました」

 画面の中、『ミライ』を運搬していたトレーラーが横転し、爆発・炎上している。

● 声優事務所『ユピテル』、所長室。
 
 声優事務所『ユピテル』。
 その所長室に、所属声優の一人、白銀麻樹が呼び出されている。
 口を開く、所長の闇黒権蔵。

権蔵「昨晩、これが届いた」

 B5の封筒をデスクの上に投げ出す権蔵。
 手に取る麻樹。
 白銀麻樹は、トップ声優の一人であり、その長い黒髪と冷徹な態度から、『漆黒の女王』と呼ばれている。
 麻樹、封筒の中に入っていたCD−Rを一瞥、冷たく笑う。

麻樹「CD−R」
権蔵「うちが声優事務所で助かったよ。このクラウド時代に……」
麻樹「中身は?」
権蔵「これだ」

 権蔵、手元のリモコンのボタンを押す。
 麻樹の後ろの壁に、映像が映し出される。

 突如、スピーカーから流れる勇ましいファンファーレ。
 男の声が流れるが姿は現れない。

男「緊急速報! 緊急速報!」
  
 画面には麻樹の画像が。
 
男「はいッ。こちら、みなさんご存知、世界に知られる人気声優、白銀麻樹さんです。なんとこの方、先日Aランクにおなりあそばせた、人呼んで『漆黒の女王』!」
男「でも、ワタクシは言いたい! こんなのがAランクで、本当にいいわけ?」
男「結局、ステマの出来レースでしょ? 初めっから決まってたんでしょ。そうお思いの皆さんも多いのでは?」
男「そこで町の人たちに聞いてみました」

 麻樹のポスター画像を背景に、手製の、女子高生風の紙人形が現れる。
 下から紙人形を動かしながら、裏声で声を当てる男。
 
男「えー。みんなが言うほどォ、キレイでもなくないですかー?」

 別の紙人形。サラリーマン風。
 
男「愛想がないのが許せないですよね。客商売なのに、っていう」

 また別の紙人形。後に出てくるサブカル歴史経済評論家、丸田を模したもの。

男「こんなのが声優界のトップですと日経平均が暴落しちゃいますね、と。恐怖のデフレスパイラルに逆戻りですね、と」
 
 紙人形が消える。

男「えー。ごらんのように、本当はみんな大迷惑です」
 
 まったく動じてはいない麻樹。
 
麻樹「(嫌味で)凝ってますね」
権蔵「フン」

男「害虫、ウジ虫、犯罪者! 討伐しなくちゃいけません。いつ殺るの? 今でしょ?」
 
 麻樹のポスター画像、画面には見えないエアガンのBB弾で蜂の巣にされる。
 集弾し、グチャグチャになる麻樹の顔。

男「でも、彼女だって一人の人間。チャンスは与えられなければいけませんよね」
男「彼女がAランクに相応しいのかどうか、その実力があるのかどうか、それが証明できるのなら、経済復興を成し遂げた今の日本で生きる価値がある、というわけです」

 画面、切り替わる。
 どこか工場跡のような場所で、強奪されたはずのロボット声優『ミライ』がいるのが映っている。
 ミライが微笑みながら口を開け、音波を発する。
 工場が崩れ、カメラのレンズにヒビが入り、一旦、画面がブラックアウト。

男「これが我らの最終兵器ミライたん!」
男「いよいよ対決! ロボット声優対生身声優!」
男「白銀麻樹……あなた、逃げたりしませんよね?」
 
 ビデオが終る。
 麻樹には動じた様子がない。
 無表情のままでいる。

麻樹「イカレてますね」
権蔵「トレーラーに乗っていた五人を黒こげにするぐらいにな」
 
 薄く笑う麻樹。
 しばらく後、麻樹が所長室を退室する。
 背後から声をかける権蔵。
 
権蔵「白銀……。すでに警察も動き出している。相手にするんじゃないぞ?」

 麻樹、醒めた口調で背中越しに答える。

麻樹「私の仕事ではありませんから」
権蔵「なにが起きてもだ」
麻樹「はい」
権蔵「なぜ、こうなったのだろうな……。昔は声優もオタクも、こうじゃなかった。おかしなのはいたが、ここまでは……」

 所長の嘆きを背に麻樹は部屋を出て行く。
 所長室の扉が閉まる。

● 声優事務所『ユピテル』廊下
 
 所長室へと続く長い廊下。
 田名香奈子がベンチソファに腰をかけ、心配げに麻樹を待っている。
 香奈子は新人声優であり、麻樹を慕っている。
 
香奈子「麻樹さんっ!」

 麻樹の表情が、わずかにほころぶ。

麻樹「香奈子……?」
香奈子「あの、みんな噂してて……」
麻樹「大丈夫よ。なんでもない」
香奈子「でも……」

 麻樹、そっと香奈子を抱く。
 先輩としての優しさのように見えるが、実はこうやって麻樹は香奈子に甘えている。

麻樹「心配しないで。本当に平気だから」
香奈子「……でも……」
麻樹「あなた、今日は収録でしょ? もう行かないと」
香奈子「はい。あっ、でも、まだ時間あるし……」
麻樹「収録は戦いよ。新人だからこそ遅れてはだめ。敵に弱味を見せることになるわ」
香奈子「はい……」
麻樹「がんばって」
香奈子「……はい」

 麻樹、抱いたまま香奈子の頭をなでる。

● 礼逢とエリカとゆゆの
 
 宮代エリカの邸宅。
 大正時代に建てられた洋館であり、敷地面積も広い。
 この時代、売れている声優はセレブである。
 エリカもその一人でランクはB。
 庭でお茶している所へ、岡村礼逢が訪れる。
 エリカ、礼逢ともにBランクの女性声優。
 所属事務所はそれぞれ違う。

礼逢「聞・い・た?」

 エリカは憮然としている。
 エリカの『妹』である姉小路ゆゆのが、エリカのカップに、紅茶をそそぐ。

エリカ「な・に・を?」
礼逢「その様子じゃ、もう知ってるね」
エリカ「どうせ、お姉さまが勝つに決まってるわよ」
礼逢「『元・お姉さま』だろ。抜けないね」
エリカ「べっ、べつにっ。クセになってるだけで、特別な感情なんかないんだから」
礼逢「おやおや、リアルツンデレちゃんだ。ゆゆのも大変だね。こんなのと姉妹の契り結んじゃって」
ゆゆの「わたしは、こんなお姉さま、大好きですから」
エリカ「『こんな』?」
ゆゆの「わわっ。すみません」
礼逢「とにかくバカは相手にすんなってさ。協会の意向らしい」
エリカ「はぁい。ご指名が私ならコテンパンにノシてスクラップにしてやるんだけど」
礼逢「だから釘を刺しに来たんだよ。麻樹にもお達しが出てるみたいよ」
エリカ「やらないんだ?」
礼逢「意外そうな顔すんな。ロボットと戦って、万が一、負けたら、生身の声優の立場ないだろ?」
 
 エリカ、礼逢の言葉に、きょとんとする。
 
エリカ「え? どうして? 負けるわけないじゃない。お姉さまが」

 礼逢、呆れた笑いを浮かべる。
 ゆゆのも、困ったような笑みを浮かべている。

礼逢「さぁって、あたしも今日は収録だ。じゃ、この情報も、極秘に願います。ネットとかに流さないように」

 去って行く礼逢。

エリカ「バカにしてんの? 流すわけないでしょ!」
礼逢「言えって言われたの!」

● 表に出てしまう情報。
 
 数日後。
 情報が表に出てしまう。
 宣戦布告ビデオが家庭のテレビ、あらゆる街頭ビジョン、至る所で繰り返されている。

 『いよいよ対決! ロボット声優対生身声優!』

 屋敷でテレビを観ているエリカとゆゆのの二人。

エリカ「私じゃないわよ?」
ゆゆの「わたしでもないです」

● テレビ番組

 更に数日後。

 時事討論番組。
 「朝☆ま☆で☆ムダ話」
 
 持論をぶちあげる、サブカル経済評論家の丸田。

丸田「声優であるならば、ですよ? 正々堂々と挑戦すべきでしょう、と。白銀麻樹と声優協会は卑怯者である、と」

 反論する声優協会の代表、沼。

沼「いや、それはちょっと待って欲しい。挑戦とか卑怯とか意味わかんない。相手は、少なくとも五人は殺した犯罪者ですよ?」

 沼に加勢している新興声優事務所の若手経営者、新庄。

新庄「そもそも経済と声優と、どう関係あるんだ、って言うのが本音ですけどね」
丸田「いやいや、それは日本の教育のおかしい所が出てる。原則論として、経済はみんなで回してます、と。クールジャパンの急先鋒としてアニメがありますよ、と。アニメは声優がいないと成り立ちませんよ、と。声優の仕事は戦闘ですよ、と」
新庄「戦闘は、声優本来の仕事ではありませんよ」
丸田「それは原則論でしょう。現実はそうじゃないですか、と。論理的にも倫理的にも、好況な日本経済の維持のためには、この対決を受け入れることが声優としての義務ですよ、と」

ツッコミを入れる番組の進行役である、原野。

原野「(笑って)丸田さん、『原則論』の使い方がダブスタなんだなぁ」
丸田「それは揚げ足取りでしょう、と」

 局アナの神田林が議論を遮り、ポップを出す。

神田林「ええと、ここでですね。こちら、インターネットでの声を選んでみたものを見ていただきたいと思います」
神田林「『白銀麻樹には絶望した』」
神田林「『殺せ殺せ! 生身なんて、結局、おれらの想いなんて考えてないんだ』」
神田林「『売られたケンカは買うのが、エチケットですよね』」
神田林「このような声が、大変、多く見られるわけなん、です、が」
原野「これについては、どう思うの? 沼さん」


● 録音スタジオ「カリエンテ」
 
 深夜の録音スタジオ「カリエンテ」。
『朝☆ま☆で☆ムダ話』をホールのソファに座り、見ている麻樹。
 それを辛そうに、影からじっと見ている香奈子。 

● 香奈子と亞希

 香奈子の部屋。
 親友の亞希が来ていて、二人ともパジャマである。
 亞希と香奈子は所属する事務所が違う。
 二人は養成所に入る前からの、長い付き合いだ。
 事務所が違う今も、二人の友情は続いている。

亞希「麻樹さんも大変だね」
香奈子「どうしたらいいと思う?」
亞希「どう、ったって……ほっとくしか」
香奈子「そんなぁ。冷たいよ、あっちゃん」
亞希「だって、わたしら下っ端の新人だよぉ? 人気も破壊力も全然下。ターゲットにすらされないよ」
香奈子「それはそうだけど……」
亞希「心配かけないように、しっかり自分の仕事をする。これっきゃない」
香奈子「うん……」

 香奈子、割り切れない想いを溜め込むが、やがて、爆発する。

香奈子「はーーぁああっ。もーっ。悔しいなぁっ! せめてエリカさんぐらいなら!」

● 都内スタジオ『アルパ』
 
 数日後。
 都内の収録スタジオ『アルパ』。
 スタジオの前に百人前後のデモ隊がいる。
 ノボリや横断幕には、一見、ふざけたような感じのする、声優業界批判の言葉が書かれている。
 
『ぬっころす☆』
『いくじ☆なし』
『きちんとたたかいましょう』

 デモ隊慰問の意味で、炊き出しも行われている。
 焼きそばやフランクフルト、綿菓子などの出店が出ている。
 和気あいあいとした雰囲気で、ハッピを着ているデモ参加者たち。
 デモ参加者たちは、頭に無数の電極のついたキャップを被っていて、それらは有線で繋がっている。
 悲壮感のある決意が漂うロボットアニメのオープニングがスピーカーから大音量で流れる。
 その瞬間、ビクっとスイッチが入り、いっせいに動物的にスタジオビルの方を向くデモ参加者。
 突如、ヒステリックに叫び出す。 

参加者A「声優のみなさん! いい加減、白銀麻樹を差し出してくださーい!」

 唱和するデモ隊。

デモ隊「くださーい!」
参加者A「ミライたんは、正々堂々、勝負を申し込んでるんです! 可哀想だとは思わないんですかーッ? こそこそ逃げ回って、ミライたんの想いを無下にするなんてー、こんな事が許されていいんですか? クールジャパンの代表として! いいんですかーッ?」
デモ隊「いいんですかーッ?」
参加者A「恥ずかしい! わたしはとても恥ずかしい! 同じ日本人として、とってもとーっても、恥ずかしい!」
デモ隊「恥ずかしい! 恥ずかしい! とってもとーっても恥ずかしい!」
参加者A「声優のみなさん! 白銀麻樹に、名誉ある死を選ばせてあげてください!」
デモ隊「くださーい!」

● スタジオ『アルパ』内

 この時、『アルパ』内では収録が行われていた。
 デモの様子を見て、中断になった収録。
 ロビーの防弾強化ガラスの窓から、声優やスタッフたちが外を見ている。
 
 男性声優たち

 ポツリと漏らす、オヤジ声優、東。
 
東「白銀は、今日の収録にはいないわけだが……」

 ショタっ子声優、雨宮京介

雨宮「BLだもんね」

 不思議そうな顔のチャラ男イケメン系声優の久代礼一。
 
久代「なぁ……ロボット声優の側って犯罪者だろ?」

 メガネ男子声優の美咲天人が答える。

美咲「まぁ、そうですね」
久代「なんであいつら、向こうが正しいみたいな事になっちゃってんだ?」

デモ隊「賃金泥棒に死を! 賃金泥棒に死を!」
デモ隊「声優は戦って死ね! 声優は戦って死ね!」

東「ムっチャクチャだな」
雨宮「でも統制は取れてるね」

 デモ隊が揃ってブツブツ言い始める。
 百人あまりがそろっての読経のようなつぶやきが、低く轟く。
 
東「なんかブツブツつぶやき始めたぞ?」

 冷徹な音響監督の島原。

島原「『ツイッター』か……」
雨宮「ツイッター?」
島原「見てみろ。あいつらの頭の愉快な帽子。光トポグラフ式思考言語共有装置、通称『ツイッター』……脳を同じ帯域の電磁波で繋ぎ、言葉と感情を共有する装置だ」
久代「そんな事って出来るんすか? 声優でもないのに」
島原「『集合知』には出来たようだぜ」
美咲「『集合知』……。十二年前、大阪を壊滅させたテロ組織?」
島原「ああ。奴らの遺産だ」

 デモ隊の様子がおかくなる。
 手足を痙攣させ、電子レンジで加熱された物体の分子の震動のように人間離れした震動を続ける。
 全員をつないでいた『ツイッター』の有線が火花を散し、焼きちぎれる。
 島原、ホルスターから銃を抜く。

島原「裏から逃げろ」
雨宮「やだなぁ、島原さん。訓練受けてない素人さんが何人やってきたってさぁ」
島原「お前ら『素人さん』に手ェ出せんのか?」

 ハッとする雨宮。
 声優は戦闘力が強過ぎるため、一般人=『素人さん』との戦闘を法律で禁じられている。
 
 無秩序な暴徒と化したデモ隊がスタジオビルの壁を叩き壊す。
 スタジオ各場所に設置された防犯カメラからモニターしていたスタッフが叫ぶ。

スタッフ「暴徒、来ます!」

 島原、声優たちに

島原「次の収録でな」
東「すみません、島原さん」
島原「これが仕事なんでね」
久代「島原さん、気をつけて」
雨宮「スタッフのみなさんも!」
美咲「必ず生きて会いましょう」

● スタジオ『アルパ』廊下

 なだれ込む暴徒たち。

暴徒A「オラァッ!」
暴徒B「オラっ! 声優出せや、声優ッ!」

 暴徒を止めに入るスタジオのスタッフたち。
 手に手にバットやマイクスタンドを持っている。

スタッフA「やめてく……ぐブォッっ!」

 暴徒に顔面を殴られ壁にめり込むスタッフA。
 ゴシャっ、と後頭部が割れて即死。

暴徒C「殺せーッ! 殺せーッ!」

 怯えるスタッフB(女性)。 

スタッフB「ひ……ッ!」
 
 自分より弱そうなスタッフBを見つけて、つめよる暴徒B。

暴徒B「ああン? 被害者ぶってんじゃないよォッ? 自分たちだけ美味しい想いしやがッて!」

 壁にスフッフBを追いつめてケリを入れまくる暴徒B。

暴徒B「このっ、クソがッ! クソがッ! 死ね! 氏ねじゃなくて死ねッ!」
スタッフB「ひッ! ひッ! ひ……っ、ぐぁ」

 あちこちでわき起こっている、スタッフの断末魔の悲鳴。
 暴徒たちの楽しげな雄叫びや、感極まっての合唱。 
 スタッフBを充分以上に蹴った後、いい汗かいたという感じの爽やかな顔で仲間を呼ぶ暴徒B。

暴徒B「みんなーっ! こいつ殺れる! 殺れますよ〜ッ!」
暴徒C「まじッすか〜!」
スタッフB「やめ……や……やぁぁ」

 蹴りとばす暴徒B。

暴徒B「うるッさいんだよ、三次元女がッ!」

 ワラワラとスタッフBの元に群がる暴徒たち。
 口々に『天誅!』と叫びながら、スタッフBを囲んでけっとばす暴徒たち。
 スタッフBのボコボコの死体が出来上がる。
 
暴徒D「ふーっ。いい汗かいたァ」
暴徒E「たまには運動もいいもんですな」

 パンパン、と響く銃声。
 暴徒Eが頭を破壊されて倒れる。

暴徒D「およ?」
 暴徒Dも頭を撃たれて死亡。
 次々と倒れて行く暴徒たち。

暴徒A「ぐぼッ!」
暴徒B「ひぎィッ!」
 
 廊下の奥から、銃を片手に下げ、冷徹に歩いてくる島原。
 撃たれて即死した者たちだけではないので、スタジオ廊下は阿鼻叫喚の様相を呈している。
 足を撃たれ、逃げようとするが腰が抜けてしまい、壁に肩をこすり続けている暴徒F。(十五歳)
 泣きながら、島原から逃げようとする。

暴徒F「ひ……ひ……お母さ……ん」

 ゴミ掃除でもしているかのように、追い抜く時に、片手で冷酷に暴徒Fの頭を撃ち抜いて殺す島原。
 恐怖から自暴自棄になり、涙を流しながら激高する暴徒C。

暴徒C「うらぁぁぁぁ!」
 
 島原に襲いかかる暴徒C。
 だが、攻撃はかわされ、銃床で顔面を殴られ、ドサっと倒れる。
 死んだスタッフBや、撃たれて死亡したり、死に切れずにのたうちまわっている暴徒達が、倒れた暴徒Cのすぐ近くにはいる。
 倒れた暴徒Cの腹を、機械のように蹴飛ばし続けながら、まだ生きている他の暴徒たちに弾を撃ち込んで殺す島原。

暴徒A「助けて……助けて……やだ……や……あ」
 
 暴徒A、撃たれて死亡。
 その頭が吹っ飛ぶ様子を目の当たりにする暴徒C。

暴徒C「ひ……ッ、ひ……っ、やめてぇな……もうやめてぇな……充分、蹴ったやん、もうやめてぇな」

 表情を変えずに暴徒Cをボコる島原。
 弾が切れたので、弾倉を変える。
 廊下の向こうから別の暴徒が雄叫びをあげながらやってくる。
 それを狙い撃って殺す。

暴徒C「な? ええんか? ええんか? こないなことして……ワシら消費者や……で? あんたらにおまんま食わしとるのワシらやで?」
島原「そうかい」

 暴徒Cを射殺する島原。

 廊下の奥から、新たな暴徒たちがワラワラと押し寄せてくる。

暴徒G「うらァァァァァァ!」
暴徒H「死ィねやァァァァッ!」

 新たな暴徒たちに銃口を向ける島原。




 十数分後。
 肩で息を切らしたボロボロの島原が、銃を片手にしたまま立っている。肩腕は折れている。
 死屍累々の有様である。
 まだ生きているのが島原の足下にいる。

暴徒I「あ……あぁ……うぅ……」

 島原、そいつに向けて、ためらうことなく引き金を引く。
 疲労のために狙いが外れ、致命傷にはならない。
 ビクビクと体を震わせた後、暴徒Iは死亡する。

  (つづく)
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act | 22:12:34 | トラックバック(0) | コメント(0)
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